失敗をどうとらえればいいのかわかる本「失敗の化学」

こつこつ頑張ろう!どうもキリ丸です。

今回は、最近読んで自分は今までなにをしていたんだろうと思わせてくれた「失敗の化学」について紹介していきたいと思います。

この本では、失敗は起こるものであるということを前提に失敗を次に活かす意味、その活かし方が書いてあります。

隠された医療ミス

この本でまず、医療ミスで人が死んでいくシーンが書かれるのですが、その瞬間がすごく印象に残っています。

麻酔をかける段階の事故だったのですが、そのシーンではなんども「判断を間違えなければ助かっていたんじゃないか?」と思える場面がでてきます。

でも、最後遺族のまえで説明するとき

「最善は尽くしましたが、どうにもなりませんでした」

という発言が飛び出すのです。

失敗の本質

衝撃的な始まり方をするこの本ですが、何を伝えたかったのでしょうか?

私は、「失敗から学ばないことは悪である」という明確なメッセージが込められているとおもいます。

大事なところは学ばないことが悪であって、失敗することは悪ではありません。

この本では、失敗から学ぶ業界として航空業界が挙げられています。
大事故が起きた場面がたびたびテレビで取り上げられますが、実はこの航空業界は、失敗から学ぶ達人なのです。

失敗からどう学ぶか

航空業界で失敗が起こるということは、たくさんの人の命に関わります。

その航空業界にも失敗は起こってしまうものです。

ユナイテッド航空173便の事故を知っているでしょうか?
燃料切れを起こして墜落したのですが、機長に話を聞くと「燃料があると思っていた」というのです。
機長の判断ミスと片付けられそうな事故ですが、航空業界ではすぐに調査に動き出します。

何が原因なのかを飛行データ、音声記録が残っている「ブラックボックス」が回収され、データ分析が行われます。

この事故の原因は、機長が集中しすぎて時間感覚がずれてしまっていたこと、上下関係によって機長に意見を言える雰囲気ではなかったことだと結論づけられました。

失敗をどう活かすか

本書では次にUSエアウェイズ1549便の事故について書かれています。

事故が起こった機体は離陸後まもなく2羽のガンがエンジンに飛び込み、エンジンが停止しました。
ですが、機長はとっさの判断でハドソン川に着水することを決意し、これを成功させました。

このときアメリカの人々の多くは、機長の判断と冷静な対応をほめたたえます。

ですが、専門家の意見は違いました。

過去のユナイテッド航空137便の事故から生まれた産物である機長と副機長との連携を強化するためのCRM訓練の導入、操作ミスを減らすように設計された人間工学的なデザインをみていました。

つまり、個人」ではなく「システム」を評価したのです。

この成功は、機長が起こした奇跡ではなく過去の失敗からの学びなのです。

失敗を認めないと始まらない

ここまでで、失敗から学ぶ大切さを分かってくれたんじゃないかなーと思います。

ですが、失敗から学ぶためには失敗を認めることがまず必要なのです。
「なに当たり前のこと言ってるんだ」と思われるかもしれませんが、上記のように意外とできていないのです。

本書では失敗を認められないのは、認知的不協和が1つの原因だと書かれています。

認知的不協和とは

人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語。

(引用元)Wikipedia

この状態は色々な場面で起きます。

試験の点数が悪かった場合などが挙げられます。「自分は高い点数をとれる」という認知と実際の「低い点数を取った」という認知に矛盾が生まれます。

このとき「自分の勉強不足だ」と解消することもあれば自分の間違いを認めず「運が悪かっただけだ」と解消することもあります。

それに間違っていること自体に気づかない場合も少なくありません。
自分が間違っていたと認めるのは案外難しいものなのです。

まとめと感想

この本では

・人が失敗を隠してしまう心理
・失敗から学ぶことの重要性

この2つを、失敗することがそのまま人の人生を左右する業界を例にとって書かれています。

そしてこの本の良さは医療ミスや航空機事故の起こる過程が緊迫感あふれる文章で描かれており、印象に強く残ることです。

私は心に響く文章はそのあとの行動に影響すると思っています。
ぜひその手で読んでみてください。

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